まあ、正直、とてつもなく、むなしい。
ほんとうは、眠るべき時間なんだけどなぁ。今日は、大丈夫かな?
行った先で、生きていても、特に人生はかわらない。けど、ネズミとダニから解放されれば、それでいいかな。
ほんとう、ひとりで、自転車をこいでいたときの気持ちがよみがえる。あのとき気分がよみがえる。けっきょく、これかぁ。ヘビメタ騒音にやられて、むなしい気持ちで、自転車をこいでいたなぁ。それが、青春か? ああーー。ほんとうにつらかった。きちがいヘビメタにたたられて、めちゃくちゃにくるしかった。どこまで行ってもかわらないなぁ。
* * *
俺がどれだけ不安になっても、きちがい兄貴がまったく気にしないで鳴らしてたんだよな。どうして不安になっているかというと、きちがいヘビメタ騒音で、不安になっていたのである。遅刻も、宿題ができないというとも、テストのこと、恋愛もなにもかも、ヘビメタ騒音でずたぼろで、先が見えなくなって、不安になっていたのである。不安の根源はきちがい兄貴なんだよ。その不安の根源が、まったく気にしないでずっと鳴らしてやがる。〇・一デシベルでも静かにしたら、ものすごくでかい音で鳴らしているのに「ゆずったゆずった」と「ゆずってやった」気分になる。きちがい兄貴ゆずってやったと思っている時間も、きちがいヘビメタで、めちゃくちゃだったよ。これ、鳴らされている最中だけめちゃくちゃだと思ってる人がいるけど、鳴り終わったあとも、めちゃくちゃなんだよ。どうして、それがわからないのか? 経験がないからわからないのだと思う。きちがい兄貴みたいな家族がいないから……その人にはいないから、実際に経験してない。実際に経験してないから、鳴り終わったあと、どういう気持になるかわかってない。だから、「楽しい楽しいと言えば楽しくなる」などと言う。こんなの、おかしいよ。「楽しい楽しいと言えば楽しくなる」なんて言っている人は、まったくなにもわかってない。どれだけ「自分だって苦労した」と言ったって、ぜんぜん「苦労」の「苦労」がわかってない。毎日、この世で一番きらいな音が数時間から十数時間鳴っているということが……爆音で鳴っているということが、どういうことなのか、まったくわかってない。わかってないのに、ふたこと目には「自分だって苦労した」だ。ぜんぜんちがう苦労なんだよ。ぼくと同等の苦労をした人が「楽しい楽しいと言えば楽しくなる」なんて、絶対に言えない。そんなことを信じていられる状態であるはずがないのだ。こいつらみんな、まちがっている。