ほんとうは、「条件」に対処しなければならないのだけど、「言えば」解決できるというような考え方がはびこっていると、やせ我慢をしている時間が長くなるのである。人間は、短い時間なら、ストレスに対応できるけど、長い時間だと、ストスレに対応できなくなる。はっきり言ってしまうと、言霊思考は、うつ病発生装置、自殺発生装置、廃人発生装置なのである。この関係が、わかってない人がどれだけいるか、わからない。ほんとうは、悪い条件が、悪い状態を作り出しているのである。けど、言霊思考をする人たちは、条件をガン無視して、「言ったか言わなかったか」だけを問題にするのである。言えば、問題は、片づいてしまうのである。言えば、悪い条件なんて、消えてなくなってしまうのである。ところが、言ったって、問題が片づかない。言ったって、悪い条件がそのまま成り立って悪い出来事を次々に生み出してしまう。なので、そのなかで、疲弊していくのである。人間には、ストレス対抗力があるけど、一時的に無理をして、問題を解決しようとしている状態なのである。長期間続いてしまったら、いつかは、はてる。うつ病になったり、自律神経失調症になったり、セルフニグレクト状態になるのである。あるいは、自殺してしまう。
言霊思考は、前向きで、ポジティブな思考のように思われる。しかし、実際には、高ストレス状態を長引かせる思考なのである。本人が、それを選んでいる場合はしかたがないけど、社会にはびこっている言霊思考が、高ストレス状態を長引かせる効果をもっているのである。わかるかな? 言霊ではなくて、思霊の場合もそうだ。「明るいことを考えれば明るいことが起こる」と言っているのだから、なにか、明るい感じがする。しかし、条件が悪い人における、実際の効果は、言霊思考とおなじように、人をバーンアウトさせるものなのである。明るいことを言っているけど、実際には、明るい結果をもたらすのではなくて、暗い結果をもたらすのである。
そんなことを言ったって、「俺は、明るいことを考えていたら、明るいことが起こった」と思う人がいるだろう。それはそれでいいけど、人にさも、有効な問題解決方法のように言ってしまうことは、問題を引き起こす。そして、そういう考え方が社会に、はびこっていると、社会がより悪くなるのである。ようするに、いいことじゃないのである。