言霊の法則が成り立っているのであれば、病気で苦しんでいるやつなんていないよ。みんな「この病気は治る」と言って、治している。治らずに死んでしまうなんてことはない。「言霊理論は正しい」「言霊の法則は宇宙をつらぬく絶対法則だ」と言っている人たちは、「治る」と言って、(ほかの人の病気を)治してやればよいのである。「一秒以内に治る」と言えば、一秒以内に治るのである。もし、一秒以内に治らないなら、言霊理論が正しくないということなのである。言霊の法則なんて成り立っていないということなのである。だって、そうだろ。言えば言った通りになるのに、どうして、治らないんだよ。一秒以内に治るといったら、治るんだよ。治らなかったら、言霊理論がまちがっていたということだ。言霊の法則なんて成り立っていないということだ。だいたい、「受け止め方をかえればいい」と言うことを言う人たちがいるけど、その人たちが、同時に言霊の法則が成り立っていると思っているのであれば、かなり矛盾している。言霊の法則が成り立っているのなら、言うことで、現実をかえればよいのである。受け止め方をかえるのではなく、言霊で現実をかえればよいのである。精神世界の人は、「言霊は絶対だ」と言ったあとに「受け止め方をかえればいい」なんてことを平気で言うけど、それは、おかしなことなんだぞ。矛盾しているんだぞ。精神世界の人たちだけではなくて、言霊的な考え方というのは、一般人ももっているものなのである。だから、実際に弱い立場の人に、攻撃をするようになるのである。実際にこまっている人を、もっと困らせるようになるのである。ほんとうは、法則性なんて成り立っていないのに、あたかも、法則性が成り立っているようなことを言う。そうなると、弱い立場の人がこまるのである。やられている人間が、さらにこまるのである。なんでこれがわからないのか? たとえば、家族内で、悪いことをやる人と、悪いことをされてこまっている人がいるとする。そうなると、精神世界の人は、悪いことをやられて、こまっている人に「受け止め方をかえればいい」と言うのだ。そして、「言えば言ったことが現実化するので、悪いことをやっている人を思い浮かべて、そいつが悪いことをやめると言えばいい」と言うのである。「悪いことをやっているやつ」を兄だとする。「兄が悪いことをやめる」と言えば、言った通りになり、兄が悪いことをやめるということになるのである。ところが、ならない。ならなければ、「言い方が悪い」と精神世界の人たちは言い出すのだ。いやーー。もうこれ、説明したから説明しない。こんなの、まったくやられているほうの人の役に立たないことなんだよ。むしろ、こまった状態をさらにこまった状態にしている。これ、家族内のこまった人間にやられ続けて、余裕がないときに言われたら、どれだけ、不愉快な気持になるか、ぜんぜんわかってないなぁ。精神世界の人は、まったくわかってない。
「3秒以内に、この病気は治る」と言って、治らなかったとする。その場合は、言っても言った通りにならない場合があるということなのである。だから、言霊の法則なんて成り立っていないということを認めなければならないのである。それを、言った通りにならなかった場合は、言った通りにならなかったことを、無視してしまうのである。言った通りにならなかった場合を無視してしまうのである。こんなのない。「言えば言った通りになる」のに言った通りにならない場合もあるなんておかしいだ。言えば言った通りになる場合もあるし、言っても言った通りにならない場合もあるという意味で「言えば言った通りになる」と言っているのであれば、法則性なんてないだろ。ともかく、「言えば、言った通りになる」と言っている人は、まず、この世の人を全員しあわせにしてから、そういうことを言ってくれ。この世の、病人の病気をすべて治してから、そういうことを言ってくれ。
言霊主義者は他人に「言えば、言った通りになる」と言う場合、相手が失敗したら「(相手の)言い方が悪かったのだ」と言う。けど、自分が相手の病気を治すために、「相手の病気が治る」と言ったのに、相手の病気が治らなかった場合は、自分の言い方が悪かったから、そうならなかったとは思わずに、「相手の病気が治らなかった」という事実を無視してしまうのである。あるいは、自分が「相手の病気が治る」と言ったという過去の事実を無視してしまうのである。
まあ、自分の言い方が悪かったから、自分が言った通りにならなかったと認識したとする。その場合は、言い方が悪ければ、言った通りにならないということを認めるべきなのである。これは、まちがってるけど、ひとまず、言った通りにならなかったということを認めるべきなのである。実際には、言い方に関係なく、「言えば、言ったことが現実化する」という考え方自体がまちがっている。
ほんとうは「自分は言霊(の力)を使える」という、自己イメージがまちがっているのに、「自分は言霊(の力)を使える」という自己イメージを傷つけたくないので、「言っても言った通りにならない場合がある」ということは認めないのだ。ともかく、だれが言うにしろ、「言い方が悪かったから、現実化しない」というのは、まちがの上に、まちがいを重ねた言い方なんだよ。言い方が悪かった「から」とまちがった原因を真実の原因だと決めつけているので、まちがっている。そして、「言い方がよい場合は、言ったことが現実化する」とい考えもまちがっている。