ほんとうにヘビメタ騒音がひどかった。
みんな、ほんとうに、わかってない。ぜーーんぜん、わかってない。あの音は、ぼくのこころを、きざむ。ぎちゃぎちゃにきざむ。
あの音のなかにいて、正常な状態を保てるわけがないだろ。ホシオメタシス、大崩壊だよ。
けど、ほかの人は、「うち」で起こっていることがわからないから、過小評価をする。
「自分だって苦労した」「自分だって、朝は眠たい」「自分だって困難を経験した」と言えば、それで、ぼくと同等、同質、同量の騒音を経験したことになってしまう。
睡眠に影響をあたえるわけだけど「鳴り終わったら関係がない」と言って、ヘビメタ騒音を浴び続けると、ヘビメタ騒音が鳴り終わったあと、眠れなくなるということを、認めない。認めなければ、エイリがおかしなことを言っていると思うわけだ。
認めなければ、「そんなのは、あまえだ」と思うわけだ。「できないわけがない」と思うわけだ。ところが、できないんだよ。どうしても、眠れない。
きちがいヘビメタ騒音が持続している時間だけで、精神がきざまれて、体も自律神経がめちゃくちゃにされる。こころと脳みそが、ヘビメタ騒音できりきざまれてしまうのである。
どれだけ、影響をうけないようにしようと思っても、不可避的に影響をうけるのである。
けど、やられていないとは、「そんなことはない」と思うわけ。
そして、常識的に考える人たちは、もっとひどいことを思うわけだ。「そんなのは、へんだから、エイリが嘘を言っている」と思うわけ。
そうなると、そもそもヘビメタ騒音の話が嘘なのだから、ヘビメタ騒音とやらの影響をうけているわけがないと思うわけ。だから、嘘を言ってごまかそうとしていると思うわけ。『エイリが、ヘビメタ騒音という嘘を考えて、自分のいたらない点をそのせいにして、ごまかそうとしている』と思うわけ。こんなの、ない。
きちがい兄貴が、きちがい感覚で、ほかの人が絶対にやらないことを、毎日やり続けただけで、俺がほぼ九九%の人から誤解をされる状態ができあがってしまう。そして、きちがいヘビメタの影響は、悪い影響なのである。
これもわからないだろうけど、勉強ということだけを考えても、計り知れない影響をあたえるのだ。もちろん、悪影響だ。
けど、きちがい兄貴は、なにもしてないつもりなんだよ。でかい音で鳴らしてないつもりなんだよ。一分間だけだって、ヘッドホンをしてくれなかった。
兄貴にとって、音がどうでもいいものであれば、ヘッドホンをして、耳が悪くなるほど、でかい音で聴けばいいんだよ。兄貴の脳みそだけにでかい音で響くように鳴らすべきなんだよ。
ところが、スピーカーで鳴らすことにこだわって、「感じがでない」という理由で、ヘッドホンをすることをこばんだ。
しかも、それが俺にとってどうでもいいことだと思っているのだ。これ、あんな音で鳴らしたら、鳴らされているあいだ勉強ができなくなるということは、きちがい兄貴にだってわかることなんだよ。
自分が「思った通りの音で鳴らしたい」という無意識的な気持がなければ、きちがい兄貴にだってわかることなんだよ。
きちがい親父ときちがい兄貴の間で発生した、ハンダゴテ事件について、ぼくは、何度も言及しているけど、ハンダゴテ事件のとき、きちがい親父が、自分のカネで、兄貴のハンダゴテを買ってやるのでなければ、自分がもってきたハンダゴテが『電子工作には』使えないハンダゴテだということを認めないということもなかったのではないかと思う。
親父の場合は、カネを出したくないという「うら」の気持ちが、スイッチになって、全否定しているのである。無意識的に、理解するのをこばむということだ。
一度、無意識的に、理解するのをこばむスイッチが入ると、ずっと、そのままなのである。だから、どれだけ、普通に言えばわかることも、ものすごく深い催眠術にかかったようにわからなくなる。
兄貴の場合は、「思いっきり鳴らしたい」という欲求があるんだよ。それがスイッチになって、「でかい音で鳴らしている」ということや「でかい音で鳴らすと、弟がこまる」というとが、理解できなくなる。
無意識的な命令で、そのあとずっと、認めない状態になる。
はなから、ないのとおなじなんだよ。
どれだけ言われても……普通ならわかることが……ぜんぜんわからなくなる。これが、強烈なんだよ。その部分だけ、わかる脳みそが、まったくないということになる。だから、どれだけ、「迷惑だからやめてくれ」「これこれこういう理由でやめてくれ」と言っても、一切合切、受け付けないのだ。
何十万回説明されても、一回も説明されていない状態で「知らないまま」鳴らす。こっちがこまっているということが、何十万回説明されても、まったくわかってないまま、鳴らす。
そして、こういこうとは、ほかの「うち」では、ありえない出来事なので、ほかの人は、これまた、理解しないのである。きちがい兄貴が、意識的にそうしている場合は、きちがい兄貴が、意識的にそうしているということが、きちがい兄貴にはわかることになる。
けど、きちがい兄貴が無意識的にそうしているので、頑固に頑固にやっていながら、きちがい兄貴自身が、そうしているというつもりがないまま、何万時間もやり続けることになる。
もちろん、何万時間というのは、一日のなかで、きれている。兄貴が寝ている時間や兄貴が学校にいる時間は、うちで鳴らしていない。トータルで何万時間ということだ。
ともかく、普通なら、説明しなくてもわかることことが、わからなくなってしまうのである。そして、わからないまま、毎日、頑固にそうするのである。
で、そういう人間が、家族にいる人は、ごくごくまれだから、きちがい兄貴のことを言っても、普通の人にはわからないということになる。
そして、これがまた、重要なことなのだけど、親父が、兄貴と同じタイプの人間だということが、カゲから、いろいろな影響をあたえているのである。
ヘビメタ騒音は兄貴がやったことだけど、ヘビメタ騒音に、いろいろな影響をあたえているのである。
親父が、兄貴とおなじタイプの人間だということが、ヘビメタ騒音が持続したことに、いろいろな影響をあたえているのである。ふたり、いるのである。普通の家族には、いないタイプの人が、ふたり、いるのである。これが、ものすごい、影響をあたえる。