「思うか思わないか」ということを一つの条件として考えよう。この一つの条件はふたつの値をもつ。ようするに、二値だ。「思う」か「思わない」の二値だ。二値ということは、〇%か一〇〇%なのである。そして、現実化するか現実しかないかも、二値だ。二値ということは、〇%か一〇〇%なのである。
「思うか思わないか」という条件以外のすべての条件を無視してしまうから、まちがった結論を導き出すことができるのだ。
「思いは現実化する」という言葉も「思えば、思ったことが現実化する」という言葉に書き換えれば、「XをすればYになる」という言葉の型に落とし込むことができる。 Xの具体的な内容が「思うこと」であり、Yの具体的な内容は「思ったことが現実化する」ということだ。Xがオンなら、かならず、Yもオンになるのである。
しかし、現実は、ちがう。「思うか思わないか」という条件のほかに、いろいろな条件が成り立っている。だから、いろいろな条件を無視しては、いけない。ところが、「無視をすること」が詐欺的な説明を成り立たせているのである。いろいろな条件を無視して、妄想世界に誘導しているのである。いろいろな条件を無視しているので、思っただけで、現実化できそうな感じがする。あくまでも、感じがするだけだ。思うだけで、思いの力が発生するというのも、隠された妄想ポイントだ。詐欺ポイントだ。