言霊や思霊ではないにしろ、ライフハックをくちにする人たちというのは、こまっている人を、さらにこまらせている。これが、まるでわかってないんだよな。この人たちの理解が浅いのである。浅い理解しかしない人たちなのである。たとえば、不幸に対する理解が浅いのである。本人が浅い不幸しか経験したことがないので、深い不幸のことは、なにがなんだかまったくわからないのである。深い不幸に「おちいっているひと」が抱える条件というのものが、まったくわかってないのである。普通の人に、なかなか理解されない深い不幸をかかえている人たちが、深い不幸について説明しても、浅い理解しかしない人は、浅い理解しかしないので、浅い理解の不幸しか思い浮かばないのである。ともかく、深い不幸におちいっている人が抱えている条件について、まったく理解しないのである。だれでも、一分で思いつくようなアイディアを言って、いい気になっている人って、こまっている人を追いつめている。ある意味、バカにしている。バカにしきっている。そして、「そんなことでは解決できない」ということを理解してない。これ、どういうことなのか、わからない人のほうが多いんだろうな。言霊や思霊に関する説明をしてきてそう思う。「言ったことが現実化するから、言えばいい」「思ったことが現実化するから、思えばいい」……。こういうレベルの解決方法がまったく役に立たないということを理解できないやつが、なにを言っているのかと思う。
明るいノリで人を傷つけるのは、よくないよ。「人のために」「こまっている人を救いたい」と思って、ライフハックをくちにするのは、やめたほうがいい。「自分が言っていることなんて、最初に試みたけど、まったくうまくいかなかったんだな」と思って、くちをとざしていたほうがいい。そのほうが、よっぽど、人のためだ。 あるいは、「自分が言っていることは、この人もすぐに思いつことができることだ」と思って、くちをとざしていたほうがいい。