「思ったことが現実化する。明るいことを思えば、明るいことが現実化して、暗いことを思えば、暗いことが現実化する」という考え方だって、悪いものを含んでいるとは、思わないわけだ。
けど、「のび太とジャイアン」の例でずっと説明してきたように、悪いものを含んでいる。
「思ったことが現実化する。明るいことを思えば、明るいことが現実化して、暗いことを思えば、暗いことが現実化する」という考え方をもつと、のび太をせめるようになる。
「のび太が『なぐられる』と暗いことを考えたので、なぐられた」と言うようになるのだ。
ジャイアンではなくて、のび太の責任を追及するようになる。
これは、悪いことだ。
そもそも、「思ったことが現実化する」というような考え方は、幼児的万能感から発生している。それなら、人間が、幼児的万能感から完全に解放されることがあるかというと、ないのである。
どうしてかというと、「未来のことがわからない」からだ。どうしたって、「未来」のことが気になる。そのとき「明るいことを考えれば、明るいことが起こる」と考えれば、現実的には根拠がない自信がわくことになる。
なので、これは、どうしようもないことだ。
けど、この感覚を、悪魔が利用しているのだ。
だから、まあ……「幼児的万能感をすてろ」と言っているのではないのだ。
ただ、 「思ったことが現実化する。明るいことを思えば、明るいことが現実化して、暗いことを思えば、暗いことが現実化する」という考えたにもとづいた助言をすると、やられたほうが、傷つくということは、はっきりと、認識しておいたほうがいい。
思霊思考は、条件が悪い人をおいつめる。