この、くそ凡人の言い分……普通の人たちの言い分というのが、ことのごとく、俺の状況を無視したものなのである。自分らだって、ほんとうに、きちがい兄貴みたいな家族がいて、きちがい感覚で、自分がきらいな音を、あの時間の長さ、あの音のでかさで鳴らしたら、一日がめちゃくちゃになるのに、それがわからない。あの音のなかで勉強ができないのに、それがわからない。そして、鳴り終わったあとも、はげしく影響をうけた状態で暮らしているということが、わからない。だから、常識や自分の感覚にしたがって、好き勝手なことを言ってくる。もう、ほんとうに、こんな人生いやなのである。ほんとうに、きちがい兄貴にやられて、凡人になめられる。凡人が、俺にダメ出しをしてくるようなことばかり、きちがい兄貴がする。そして、凡人は凡人で、自分が、ほんとうに、おなじ期間、おなじ量やられたら、「できなくなる」ということが、わからない。無視する。そして、やられてない感覚でものを言ってくる。けど、「俺だって苦労、した」と言えば、それで、おなじことを、おなじぶん量だけ、おなじ期間の長さ、やられたことにしてしまうのである。だから、わかって言っているということになってしまう。ほんとうは、なにもわかってないのに、わかっているつもりで、バカにしてくる。なめてくる。必然的にそうなる。
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こんなことを言う凡人といっしょにいて、おもしろいわけがない。「おもしろいわけがない」ということは、凡人にもわかるかな?