とにもかくにも、ヘビメタでからだがくるしいのである。毎日、毎日、ずんずん、つもるのである。減るということがないのである。ずっと、くるしいまま生きてきた。きちがい兄貴みたいな人は、めったにいないから、きちがい兄貴みたいなやり方でヘビメタを鳴らす人もめったにいない。きちがい親父は、それをゆるしてしまった。きちがいだから、悪いほうの味方になる。自分がほんとうは、注意なければならない立場なのに、注意しない。自分がほんとうは、しずかにさせなければならない立場なのに、しずかにさせない。「全部、鳴らすなっていったら、かわいそうだ」などと言うのだ。この、きちがい親父のきちがい発言。どれだけきちがい的な発言をしているか、本人はまったく気がつかない。「それじゃ、俺はどうなっちゃうんだ」と言いたかった。それじゃあ、俺はどうなってしまうんだ。「毎日やられて、くるしい」「やってはいけないことを、きちがい兄貴が夢中になってやっている」「毎日、きちがいヘビメタ騒音で宿題ができなくて、学校でみじめな思いをしているんだぞ」「学校の友達に、うたがわれているんだぞ」……。
学校の友達は友達で、きちがい兄貴のことやきちがい親父のことが、ほんとうに、わからない。わからないから、いろいろと疑問をいだく。「そんなんじゃないんじゃないか」と思う。「そんな人いるのかな」と思う。「ちゃんと言えばつたわるんじゃないか」と思う。