ヘビメタ騒音のことで、頭がいっぱいで、女の子とデートできるような状態じゃないのである。ヘビメタ騒音というのは、きちがい兄貴にとっては、あたりまえの音で、ずっと鳴らしていてもいい音なのだけど、こっちは、一日目から、生活ぜんぶが破壊される音だ。女の子とデートできるかどうか(女とつきあえるかどうか)なんて、騒音とは関係がないと言う人が、リアル世界でいたのだけど、関係があるんだよ。もう、ヘビメタ騒音が数千日続いている状態で、デートなんてできるわけがないだろ。デートしたって、だめなんだよ。それは、俺が、どれだけ、その女の子と、兄貴のヘビメタ騒音とは関係がないから、その女の子のまえで、ヘビメタ騒音の影響をうけた感情をあらわにしないように、気をつけたとしても、だめなんだよ。長期的にはだめになるんだよ。それが、わかっているから、消極的にならざるをえないんだよ。実際、友達や親友とのつきあいがうまくいかなくなった。基本、友達や親友とのつきあいも、女の子とのつきあいも、おなじなんだよ。人間づきあい・人づきあいという意味では同じなんだよ。きちがい兄貴のヘビメタ騒音が、俺の人間づきあいすべてを破壊した。これ、きちがい兄貴は、ほんとうにまったく、つもりがないわけだし、おとうとの人間づきあいを破壊したと思っていないのである。それは、俺が兄貴に言わなかったから、わからないのではなくて、鳴らしたいときは、きちがいモードで認めないからわからないだけなのである。「こ・ま・る」というのが、ほんとうにわからない。やりたければ、自分の感覚を無意識レベルで書き換えて、やってしまう。しかも、意識レベルでは、そうしたことになっていないから、あたかも、自分がやったことではない気持ちがしているのである。「みとめない」ときの「みとめなさ」が、ほんとうに、普通の人間の「みとめなさ」じゃないのである。こまるんだよ。もちろん、こっちがこまるという意味だ。
だいたい、自分のこみ上げる感情を見せないようにして、人とつきあうなんて、できるもんじゃない。そりゃ、一日とか、二日ならできるけど、ある程度長い期間、ずっと、「自分のこみあげる感情」を見せないようにして、ずっとつきあうなんて、どんな、拷問だと思っているんだよ? どうしたって、ヘビメタ騒音の影響をうけるんだよ。睡眠時間をとおして、影響をうける。鳴っているときだけではなくて……鳴っているときのはちゃめちゃな時間だけではなくて、睡眠時間がなくなるということの影響を、日中、うけている。