たとえば、「受け取る器じゃない」とか「その段階にたっしていないからダメなんだ」ということを、セミナー講師が言った場合、セミナー受講者はどう感じるか。「自分の器を大きくするにはどうしたらいいか」とか「その段階にたっするにはどうしたらいいか」と感じてしまうのだ。えっーーと。セミナー講師のほうが、格上で、セミナー受講者のほうが格下なわけ。「引き寄せが起こらないのは、精神レベルがその段階にたっしてないからだ」とセミナー講師が言って、セミナー受講者がそれをうけいれた場合、セミナー講師のほうには、また、キャッシュポイントがうまれるのである。ようするに、「精神レベルを上げる方法」でかせぐことができる。けど、引き寄せることは誰にでもできるはずだし、その方法を使えば、引き寄せることができるはずなのである。これ、じつは一〇〇%引き寄せることができるはずなのだ。引き寄せ能力が、人に存在するなら……。
言霊でも、説明したけど、「言えば、言ったことが現実化する」のだから、一回でも言えば、現実化しなければおかしいのである。現実化しなかった場合は、「言えば、言ったことが現実化する」という理論がおかしいということに、気がつかなければならない。ところが、「言い方が悪かった」ということにされてしまうのである。
もうひとつ、いいわけがある。それは、「回数がたりない」ということだ。けど、言うか言わないかの二値しかないんだよ。回数は関係がない。だから、「現実化するまで、何回でも言えばいい」と言われたら、そういうふうに言いかえせばいい。これ、詐欺なんだよ。トリックなんだよ。
引き寄せの場合も、セミナー受講者が「引き寄せられなかった場合」について、おなじようなことが発生する。ようするに、失敗したセミナー受講者のやり方がへたくそだということになってしまう。そうなると、「やり方」をめぐって、カネをかせぐことができるのである。もちろん、セミナー講師は金をかせぐことができる。セミナー受講者は、カネをうしなうのである。たいせつなカネを、うしなってしまう。「引き寄せ」なんていう、どうしようもない考え方にとりつかれたために、たいせつなカネをうしなってしまうのである。セミナー講師は、カネを引き寄せることができるけど、セミナー受講者は、カネをうしなう。
「うまくいかなかった」「現実化しなかった」「引き寄せられなかった」……こういうことが、だますほうの、新たなキャッシュポイントになるのである。いいかげん、気がつけ。