「人に親切にするといいことがある」系の考え方は、ずっとずっと前からある。これも、定番で、「すべては受け止め方の問題だ」「なんでも感謝感謝」「人間はみんなおたがいさま」といった考え方とおなじように、精神世界で、何十年も前から言われていることだ。
普通に考えれば、いいことがありそうなんだけど、もともと親切な人は、「人に親切にするといいことがある」と思わないほうがいい。もともと、親切だから、普段、普通に親切にしている。これ、基準がちがうのである。もともと親切じゃない人と、もともと親切な人の、基準がちがいすぎる。もともと親切な人は、もともと親切なの人なので、その人が、『もっと親切にしよう』と思うと、過剰に親切にすることになる。なので、トラブルが発生しやすくなる。とくに、きちがい家族にやられて、弱っているときに、人に親切にしようとすると、トラブルばっかり発生して、死にたくなるから、注意が必要だ。これ、ほんとうに、どうして、もともとの性格や、その人が暮らしている条件を考えないで「人に親切にする」ということを言ってしまうのか。「人に親切にする」ということの内容がちがってくるのである。
ほんとうに「なんでこんなことになってしまうんだ」と思うような、意外な結末がまっている。ほかの人の反応というのは、親切にしようとした人が期待しているような反応ではない……。けど、あとになって考えたら、普段、親切な人が、その親切行為をしないのだから、やはり、過剰な親切行為なのである。過剰な親切行為をすると、かならずと言っていいほど、悪いことが発生するので、「人に親切にすると、悪いことがある」ということになる。もともと親切な人は、普段から、人に親切なんだよ。人のことを考えて行動しているんだよ。もともと親切ではない人が、親切にするというのとは、わけがちがうのである。