たとえば、「差別はよくないことだ」「人を差別するのはやめましょう」という教えをもっている宗教団体があるとする。これにかんして、その宗教団体の教えは、正しい。
けど、じゃあ、「差別はよくないことだ」「人を差別するのはやめましょう」ということは、宗教団体にわざわざ入って、その宗教団体のえらい人から教わらないとわからないことなのかということを考えると、そんなことはないだろうと思う。
ようするに、わざわざ宗教団体に入って、えらい人から「教わらないと」わからないことではない。
個々の教えが正しいことを言っていたとしても、全体的には悪いところに誘導されるのであれば、やはり、その宗教団体は悪い宗教団体なんだということだ。
宗教団体の教えを構成している個々の文言が正しいとしても、個々の文言が正しいから、いい宗教団体なのだとは言えない。
「差別はよくないことだ」「人を差別するのはやめましょう」という教えがあったとしても、逆に、差別を助長することがある。実際、信者の行為が差別行為になってしまう場合がある。だから、「教えがあっているから、その宗教団体はいい宗教団体だ」とは言えない。