条件の格差を無視しているから、本当のことが見えなくなる。条件の格差を無視することは、悪魔側にとって、必要なことなのである。そして、目に見えないような支配者階級と、非・支配者階級とでは、ものすごい差がある。この差は、目に見えない。だから、普通に言っている『条件の格差』というのは、非・支配者階級のなかでの、条件の格差だということになる。条件の格差と言っても、もともとのすごい部分では、見えないので、まったく認識できないということになる。認識できる部分は、非・支配者階級のなかの、条件の格差だ。
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非・支配者階級のなかの、条件の格差を考えさせないように、しているのだ。支配者階級は、支配者階級と非・支配者階級の条件の差、だけではなくて、非・支配者階級のなかの条件の差を、非・支配者階級に考えさせないようにしている。だから、条件の格差は、あるにもかかわらず、ないものとして、あつかわれることになる。そして、条件の格差について言及するのは、みっともないことだというイメージをつくっておくのである。このイメージ戦略は強烈だ。みんな、やられちゃっている。条件の格差で、「下」である人も、条件の格差について、口にするのは、みっともないことだと思っているのである。そういう社会ができあがっている。社会で生活するとなれば、『条件の格差はない』ということや『条件の格差について口にすることはみっともないことだ』ということを、受け入れるしかない。『条件の格差はない』ということや『条件の格差について口にすることはみっともないことだ』ということは、もう、無意識に近いレベルで、刷り込まれている。