条件のちがいを無視する思考がはやっている。条件なんて関係がない」という思考だ。けど、条件は関係があるのである。条件は関係がないということと、条件を無視するということはちがう。けど、『条件なんて関係がない』という思考のなかでは、両者は区別されてない。おなじこととして認識されている。けど、ちがう。
生まれてこのかたの……条件のちがいはある。条件が立場の差をつくりだしているといっても過言ではない。
たとえば、「条件なんて関係がない。目の前の現実に集中すればいい」という考え方があるとする 。
仕事をしている人であれば、目の前の現実に集中するということは、目の前の仕事に集中するということだ。
しかし、命令する人と命令される人は、条件がちがうのである。
なので、じつは、この命令ということにかんしても、命令する人と命令される人がちがう立場だという条件のもとに成り立っている。
命令する人が命令することはいいことだという価値観があるのである。命令された人が命令されたとおりに動くのはいいことだという価値観があるのである。命令するほうと、命令されるほうでは、立場がちがう。それはすなわち、条件が成り立っているということだ。
条件は、関係があるのである。
「命令する・命令される関係」においても、条件が内在しているのだから、もちろん、その関係において成り立つ実際の作業は、その条件の影響をうけたものになるのである。
条件?
関係あるよ。