みんな、自分がこの世で、一番きらいな音が、がんがん鳴っている時間のつらさがわかってないなぁ。みんな、働けないようになるのに、それがわかってないから、好き勝手なことを言いやがる。みんな、ほんとうは、あの音のでかさで、自分が、この世で一番きらいな音が鳴っていたら、みんな、勉強することなんかできないのに、わかってないなぁ。自分の嫌いな音が、あの音手のでかさで鳴っていて、勉強なんてできるわけがないだろ。自分のがきらいな音が、あの音のでかさで、何時間も何時間も鳴ったあと、眠れるわけがない。みんな、経験すればわかることなのだけど、経験させるようなきちがい家族がいないから、わからない。わからなければ「関係がない」「影響なんてない」と言って、無理難題をおしつけてくる。無理難題なんだけど、そうやって、日常的に、自分が、この世で一番きらいな音にさらされ続けたことがないから、無理難題だということがわからない。わからなければ、自分は正しいことを言っていると思うわけだ。エイリさんが、あまえていると思うわけだ。そんなのは、影響をうけないことが可能なのに、影響をうけているエイリさんが悪いんだということになってしまう。
あんなでかい音で、自分がきらいな音を一日に七時間聞かされたら、眠れなくなるんだよ。経験がないからわからない。経験がない……多くの人にとって経験がないことだというのは、きちがい兄貴のやり方が異常だったということなんだよ。けど、俺が、きちがい兄貴のことを言っても、きちがい兄貴に実際にやられてなければ、きちがい兄貴のやったことの影響のでかさというのが、自分のこととして、まったくまったくまったく、わからない。わからなければ、「そんなのは、関係がない」と言える。「過去なんて関係がない」と言える。「鳴り終わったら影響なんてない」と言える。ちがうんだよ。
こいつら、みんな、なめてくる。きちがいヘビメタ騒音……自分がこの世で一番きらいな騒音にさらされ続けたら、「できなくなる」というのがわかってない。「無職になる」ということがわかってない。「通勤ができなくなる」ということがわかってない。「虚弱体質になる」ということがわかってない。「睡眠障害者になる」ということがわかってない。「楽しむ精神がなくなる」ということがわかってない。わかってないだけなのに、えらそうなんだよ。
ほんとうに、人生がない。