ほんとうに、ヘビメタ騒音が鳴っていると宿題ができないのである。できない。これはたしかだ。騒音耐性が高い俺でも、きちがい兄貴が、好き勝手に、兄貴のやりたいレベルでヘビメタを鳴らすと、どうしても、宿題ができくなるのである。
で、そうなると、宿題をやらないまま、次の日、学校に行くことになるのだけど、そうすると、先生やほかの人は「エイリが宿題を忘れた」と思うのだ。
忘れたわけじゃないのだ。
で、そういう場面で、「兄が、ヘビメタ騒音を鳴らしていて、どうしても宿題ができない」ということを言っても、兄のほうをせめる人ひとりもいなかった。「そんなのは、お兄さんに言えばいい」という話になる。
で、この場合は、宿題を忘れたことになっていて、「宿題をすることはできない」ということを言ったあとに、「何度も、兄に注意したけど、兄が、ぼくの言うことをきかずに、ずっと鳴らしている」ということを言うわけだ。そうすると、「それは、家族で話し合ってください」ということになる。
で、ともかく、「兄のヘビメタが鳴っていると、宿題ができない」ということは、認められてないままなんだよ。だから、ずっと毎日、宿題を忘れていくことになるのだけど、先生やほかの人は、きちがい兄貴のことがわかってないから、たいした問題だと思ってないんだよね。
これで、ぼくが「ヘビメタが鳴っている以上、宿題はできない」ということを言うと、「宿題を忘れたのに、いばっている」と感じるやつが出てくる。
まあ、クラスメイトだけど。
そういうときの、そういうやつの不満そうな顔というのは、「そんなの、お兄さんに言えばいいだろ」と言うやつの不満そうな顔と、そっくりだ。
こういうやつらのなかでは、ともかく、「ヘビメタ騒音で宿題ができない」ということを聞かされたということが不愉快なことなのだ。
こういうやつらのなかでは、ともかく、「兄が、言うことをきかずに鳴らし続ける」ということを聞かされたということが不愉快なことなのだ。