生まれの格差をガン無視して、法則性があるようなことを言うのは、よくないことだと思う。けど、これ、どれだけの人が理解できるのか? 幼児的万能感に支配されている人は、たぶん、一生、理解しないと思う。生まれの格差「下」の人も、法則性があるような文言を信じて、それなりにがんばるときがあるけど、はっきりし言ってしまうと、その経験がその人を傷つける。再起不能にする場合だってある。法則性があるような文言……一見、正しそうな文言……これが、どれだけの不幸をうみだしているか、わかるか? わかるわけがないよな。
そりゃ、だれだって、程度の差こそあれ、幼児的万能感はもっているので、そういうことを信じたい気持ちはわかる。わかるのだけど、複雑な相互連鎖によって、けっきょくは、いいことにならない。問題なのは、生まれの格差「下」の人が特に、そういう文言(もんごん)の餌食になってしまうということだ。どうしてかというと、生まれの格差「下」の人は問題をかかえているんだよ。だから、「運」をアップしたいと思っている。なので、そういう文言を信じがちだ。けど、これが、うまくいかないのである。どうしてかというと、条件があるからだ。その人が無視したって、条件は成り立っている。条件がもたらすことがある。条件が「不愉快な出来事」をもたらすなら、おまじないのようなことをどれだけやっても、おまじないのようなこととは関係かなく、情け容赦なく、「不愉快な出来事」が発生する。不利な条件が、たくさんの「不愉快な出来事」を発生させるなら、おまじないとは関係なく、たくさんの「不愉快な出来事」が発生する。