「できると言って、気合をいれることは大切だ」ということと「言ったことが現実化する」ということはちがうことなんだよ。
ところが、言霊主義者というのはただ単に「できると言って、気合を入れることは大切だ」と言いたいだけなのに、「言ったことが現実化する」「言霊は絶対だ」「言霊は正しい」「言霊は宇宙をつらぬく絶対法則だ」と言ってしまう。
どれだけ、ズレがあるかわかっているのか?
わかってないのだろう。
言っても、現実化しないから、何回も言うことになるのである。たとえば、「瞬間移動ができる」と言えば、瞬間移動ができるようになるか。「会社のまえに瞬間移動する」と言ったので、会社のまえに瞬間移動する……。会社のまえに瞬間移動できたか?
できないのであれば、言ってもできなかったということだ。言っても、現実化しなかったということだ。言ったことが現実化するという理論はまちがっているということだ。
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俺が「正しさにこだわっている」と批判した言霊主義者がいた。俺は、正しさにこだわっている。しかし、その言霊主義者も同様に正しさにこだわっている。「言ったことが現実化する」「言霊は絶対だ」「言霊は正しい」「言霊は宇宙をつらぬく絶対法則だ」と言っているのだから、もちろん、正しさにこだわっている。自分は正しさにこだわってないつもりか? それならどうして「言霊は正しい」と言うのだ? これも、ほんとうは、「言霊理論は正しい」と言うべきところなんだけどなぁ。その言霊主義者は「言霊は正しい」と言って、言霊理論の正しさに、こだわっている。
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「言ったことが現実化する」と言っているのに、「瞬間移動できる」と言っても、瞬間移動ができるようにならないのは、なぜだ? 「会社のまえに瞬間移動する」と言っても、会社のまえに瞬間移動しないのはなぜだ? 言ったことが現実化するなら、「会社のまえに瞬間移動する」と言えば、会社のまえに瞬間移動する。