基本、実際に経験したことが影響する。「やる気」「疲労感」……こういうものには、実際に経験したことが影響するのだ。からだの問題だからね。意識的脳というのは、脳のなかの一部にしか過ぎない。こいつが、どれだけ命令したって、ほかの脳が、それに反応する状態でなければ、脳全体は、動かない。脳全体が問題なんだよ。
そして、脳全体の問題というのは、からだの問題でもある。だから、からだが重要。からだが、実際に経験したことは、重要だ。
「意識」を重視して、無視できるようなものではない。
ところが、ほかの人たちは、その人のからだで生活しているわけではないので、その人のからだのことが、根本的に、わからない。そして、ほかの人たちは、その人のからだで、生活してきたわけじゃないので、その人が経験してきたことがわからない。
わからないので、勝手に無視して、勝手なことを言うけど、その勝手なことというのは、実際に、そのからだをもっている人にとっては、役に立たないことが多い。
たとえば、言霊信者が「元気だ元気だといえば元気になる」「つかれたつかれたと言うからつかれるんだ」と、そのからだを使っている人に、言ったとする。そのからだを使っている人が、「元気だ元気だ」と言えば、「元気になるかどうか」が問題だ。
実際に経験してきたことが影響をあたえるので、実際に、経験してきたことが、「やる気」をなくさせるものであったり、「疲労感」を増大させるものであったりする場合は、どれだけ「元気だ元気だ」といっても、元気にならない。
ところが、言霊主義者は、自己中なので、相手のことがわからない。
そして、「自分は元気だと言ったら元気になった」と言ってマウントをとる。はっきり言えば、いい気になる。かくして、助言をしている言霊主義者がますます元気になって、むりなことを言われたほうが、ますます、元気をなくすのだ。