「 病は気から」という言い方があるように……病は、みんな気のせいだ……と言ったら、どう思う?
ぼくは、どうして、物理的な現象を無視してしまうんだ?と思うんだけど、どうかな?
これ、「気のせい」という言い方で、物理的な現象を否定してしまう人がいるのである。体を構成している分子が物理的な運動によって、変化したら、そりゃ、うまく動けないと感じることもあるでしょう。けど、じゃあ、うまく動けないと感じることも、気のせいだから、気のせいなのか?
これ、気のせいという言い方は、じつは、気分の問題に過ぎないということを言っているのである。だから、そういう気分じゃなくなれば、症状もおさまる(きえうせる)ということを言っているのである。 「気のせい」と言った時点で、すべての、物理的な現象を無視しているのである。
まあ、その言葉の対象となる人の、からだに起こっている物理的な現象を無視しているということだ。物理的な現象……関係あるでしょ。まあ、気分だって、けっきょくは、物理的な運動によって発生しているわけだけど……。
自分のからだを構成している物質が物理的な変化をうけた場合……あれができない、これができないということが発生する。けど、そんなのは、「気のせいだ」と言うのである。
気のせいだけであるような場合も、あるけど、気のせいじゃない場合もある。気のせいじゃない人に対して、「気のせいだ」と言うのは、たいへん失礼なことだ。それ、わかるかな?
自分だって気のせいじゃない病気になったときに、「気のせいだ」と言われたら、不愉快な気持になるくせに、ほかの人にはそういうふうに言って、平気なんだからなぁ。
まあ、けっきょく、気のせいである場合も、けっきょく、シナプスの電気的な運動が影響しているのだけど……。
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「副反応はあまえ」「副作用はあまえ」「後遺症はあまえ」「なんとか病はあまえ」と、なんとだって、言える。相手の状態を理解していなければ、なんとだって言える。