「エイリ君のお兄さんが、ほんとうに、ききそうもないんだよなぁ。エイリ君とお兄さんって顔がぜんぜんちがうんだよなぁ」とワタ君に言われたことがある。ワタ君は事情を知っているし、きちがい兄貴のことを見たことがある。じつは、きちがい親父のことも見たことがある。で、俺と、きちがい兄貴が似てないということや、俺ときちがい親父が似てないということを知っているのである。ワタ君は、ヘビメタ騒音のことを理解してくれたけど、ほかの人は、まったく知らない。
基本的に言って、ぼくはヘビメタ騒音で、ほかの人から、ずっとずっと、能力的な誤解をうけて生きてきた。ヘビメタ騒音のことを知っている人は、俺がヘビメタ騒音でこまっているということを知っているけど、知らない人は知らない。
大人になれば、凡人Aや、凡人Bや凡人Cのように、ヘビメタ騒音のことを言っても、ヘビメタ騒音の影響は無視するやつが多かった。常に僕は、能力や人格において、誤解されている。ヘビメタ騒音なんてものがなかったらぜんぜんちがっていた。これ、本当に見えない遅刻強制ギブスなのだ。見えない能力低下ギブスなのだ。