だからまあ、名前だけ店長の問題に関しては、名前だけ店長の労働時間を短くする方向で努力しなければならないのである。
ところが、名前だけ店長の労働時間はそのままにして、名前だけ店長が「つらい」と言わなければいいという方向に誘導してしまう。「受け止め方の問題だ」と言う場合は、名前だけ店長の受け止め方の問題にされてしまうのである。
名前だけ店長は、一日に二時間しか眠れないような労働をおしつけられている。ここを問題にしないで、名前だけ店長の受け止め方の問題にしてしまう。
さらに問題なのは、そういうことをやる人がブラック社長にかぎられるというわけではないということなのである。普通の人が、ブラック社長とおなじことを言ってしまう。普通の人が、ブラック社長とおなじ考え方をおしつけてくる。
ようするに、労働時間はそのままで、名前だけ店長がくらい考え方をもたずに、明るい考え方をもてばいいんだという話になってしまう。
長時間労働と睡眠不足が、名前だけ店長のつらさをうみだしているのに、それにはまったく言及せずに、名前だけ店長の「受け止め方」の問題にしてしまう。
こういうことを、ずっと繰り返しているのが、日本人だ。
本当は、ブラック社長が、名前だけ店長にそういう長時間労働をおしつけているということが問題なのに、名前だけ店長の受け止め方の問題されてしまうのだ。
名前だけ店長も、じつは、この価値観を内面化しているので、ブラック社長の会社をやめられないのである。 じつは、名前だけ店長もこういう考え方を内側にもっているために、ブラック社長の考え方がおかしいということを、指摘できず、ブラック社長の言うことにしたがってしまうのである。
そういうことが繰り返されて、一日に、二時間しか眠れないような生活をずっとしているわけである。自殺する日まで……。
何度も言うけど、ごく普通の凡人さんが、ブラック社長とおなじことを言うことが問題だ。「言霊にこっている人」「引き寄せにこっている人」がブラック企業の社長とおなじことを言うということが問題なのだ。
これは、こういう価値観が正しいと思っているということを意味している。正しくない。どう考えたって、追い込んだやつが悪い。名前だけ店長を長時間労働に追い込んだやつが悪い。
名前だけ店長を長時間労働に追い込んだやつは、自分が、おカネをもうけたくて、そうしているだけなんだぞ。名前だけ店長のいのちよりも、おカネのほうがずっとたいせつだという価値観をもっている。
それなのにそれなのに、名前だけ店長のこころがけのせいにされてしまう。名前だけ店長がネガティブなことを言うから、ネガティブなことが起こるんだということにされてしまう。こんなのおかしいだろ。どうして、おかしな? と思わないのか?
名前だけ店長が「つらい」と言うから、「つらいこと」が発生している。
ちがうね。
ブラック社長が、名前だけ店長につらい思いをさせているので、名前だけ店長がつらいと感じているだけだ。つらいと感じる理由がある。労働時間が長く、睡眠時間が短いので、動くときに、「つらい」と感じてしまうのだ。疲労がつみかさなっているから、つらいと感じてしまうのだ。名前だけ店長の認知にはゆがみがない。ちゃんと、つらいことをつらいと感じている。
一日に二時間しか眠れないような生活をしてがんばっている人を、さらにがんばらせようとする。がんばりがたなりとはっぱをかける。つらいと言えば、つらいというからダメなんだとダメ出しをする……。日本全体がそういうことになっている。