本人は、「はげましている」つもりかもしれないけど、「だめだし」と「まうんと」をしているだけだ。元気な状態がいい状態で、元気じゃない状態は悪い状態だ。悪い状態になっているのは、「自己責任論者」なら、「おまえが悪い」「おまえの責任だ」ということになる。マウントしているほうは、相対的に元気なのだから、マウントしているほうは、無意識的に「自分のほうが相手よりすぐれている」と思っているわけだ。そして、たとえば、「元気だ元気だと言って元気になる方法」が正しいなら、「元気だ元気だと言って元気にならないおまえが悪い」ということになる。そういう意味を含んでいる。全部、つかれの程度を無視してい。過去一五年間にわたって、毎日二時間しか眠れなかったという現実は、無視され、「疲れの程度はかわらない」という前提でものを言っている。しかし、ちがいがある。ちがいは、「過去は関係がない」という言葉で無視されるのである。なので、一五年間にわたって、毎日二時間しか眠れないような状態の人間を、一五年間にわたって、毎日八時間も眠れる人間が、「たるんでいる」と言ってせめることができる。「俺なんて、元気だもんね」と言える。「つかれているおまえが悪い」「どうして、元気だ元気だと言って元気にならないんだ」と言える。「そういう方法を利用しないおまえが悪いんだ」と言える。
いまは、そういう時代だ。