おまえ、あの一日が、どういう一日だと思っているんだ? と言いたくなる。言いたくなる。
「ヘビメタ騒音『で』働けなくなった」と言っているのに、「働いたほうがいい」と言ってくるやつは、もう、俺のなかでは、人間ではない。人間もどき。一見、人間に見えるけど、人間じゃない存在。そいつだって、おなじことを繰り返せば、働けないからだになるのに、自分は平気だと思っている。そいつには、きちがい兄貴がいない。きちがい家族が、きちがい的な感覚で、きちがい的な意地で、ほかのうちではありえない騒音を鳴らすということがなかっただけだ。おなじ部屋にいたら、そうなるんだよ。もちろん、そいつにとってヘビメタがいい音であるならちがうけど……。ようするに、そいつにとって、がまんできないきらいな音が、ずっと鳴っている環境で、すごしたら、睡眠回路を破壊されて、どうしても、通勤・通学、できないからだになるということだ。そういうことが、わかってない。で、魔法的解決法というのは、まったく役に立たなかった解決法だ。そして、根性とか努力というのは、俺のからだを破壊した、もう一方の立役者だ。かりに、がんばらなくても、きちがい兄貴が、きちがい兄貴の感覚でずっと鳴らしていたら、やっぱり、通勤・通学ができないからだになっていたと思う。けど、あの緊張感はない。あの緊張感が、いろいろな症状を形成した。睡眠回路がこわれたことにも関係がある。そういうことを、無視して、自分の労働観について語りだすやつってなんなの? 最初から、「ヘビメタ騒音で働けなくなった」「ヘビメタ騒音で通勤できなくなった」と言っているだろ。
そ