言霊主義者が「言わなったことが現実化した場合」について、どう考えているのか気になるぼくは気になる。世界で発生していることについて、事細かに「言っているのだろうか」。
そんなことはあるはずがない。自分がかかわってないことが、世界中で発生している。
自分がかかわっていることと、自分がかかわっていないことをくらべると、圧倒的に、自分がかかわってないことのほうか多い。そりゃ、そうだろ。世界中で、いろいろな人が生きている。
その人たちの身に生じることについて、「だれか、言霊主義者一人(ひとり)」が語っているのだろうか?
そんなことはない。言霊主義者は、自分の身の回りのことしか語っていない。ところが、世界中でいろいろなことが発生している。つまり、「言わなかったこと」が発生している。
「言ったことが現実化する」確率より、言わなかったことが現実化する確率のほうが高いのである。「言ったことが現実化する」数より、言わなかったことが現実化する数のほうが多いのである。こういう世界だ。
自己中心的で、自分が言ったことが現実化すると思っている人以外、世界中で発生していることを、無視できるわけがない。
そして、たとえば、金の価格、銀の価格、パラジウムの価格というものを、自分が「言うだけで」制御できるのか?
自分が、今日の金価格は、まるまるになると言ったら、まるまるになるのである。言霊理論が正しいなら、かならずそうなる。言ったことが、かならず現実化するからだ。
言霊主義者は、「呪文」をとなえれば、どんなことだって、かなうと思っている。呪文の内容が、自分が現実化させたいことなのである。自分が現実化させたいことを、「言えば」かなうのである。呪文として自分が現実化させたいことを「言えば」その内容が現実化するのである。
そういうパワーを自分は持っていると言っているのである。
自分は、そういう魔法が使えると言っているのである。
けど、実際には、現実的な部分に関しては、現実的な対処をしているのである。「言えば」そうなるのだから、「言えば」いいでしょ。
言うことで、対処してくださいよ。
そうすれば、言ったとおりにならないということを経験するでしょう。
株価を予想する必要なんてない。「まるまるの株はまるまるという値になる」と言えば、そうなるのである。競馬の予想なんてする必要がない。「今日のまるまるのレースでは、まるまるが一番、まるまるが二番になる」と言えば、その通りになるのである。
言ったら言ったことが現実化するのだからそうなるのである。言霊には、そういうすごいパワーが宿っているので、言っただけでそうなるのである。
そうならないなら、そういう言霊理論がまちがっているということになる。