ほかの人たちは、実際に体験したわけではないから、きちがいヘビメタをあの頻度で、あのでかさで、あの時間の長さ、あの期間の長さ、鳴らされると、どうしても……どーーしても、どーしても……通学通勤ができないからだになるというとが、わからない。これ、必然なのである。けど、必然性がまったく見えないわけ。彼らのまえにあらわれているのは、無職である「ぼく」であるわけ。そうなると、ヘビメタ騒音のことを無視して、無職であるということに注目して、バカにした態度をとることになるんだよ。
きちがいヘビメタがどれだけつらいか、ほんとうにわかってないな。ところが、ヘビメタ騒音がそいつ人生のなかで生じなかったのに、そして、通勤・通学しているのに……俺だってつらい目にあったということを言ってくる。そいつは、通勤・通学できているわけだから、そいつのつらさをもたらした原因は、気ちがいヘビメタよりも、程度が低い、規模が小さい原因なんだよ。絶対に、俺とおなじことをやられたら、通勤通学できなくなる。だれだってそうなんだよ。ヘビメタじゃなくて、そいつがきらいな音という条件にかわるけどな。
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ほんとうに、ヘビメタ騒音で通勤・通学できなくなると、そうではないひとが、まったく想像ができないことが発生する。どれだけ、いやな思いをするか、ほかのやつらはまったくわかってない。無職だということを、事前に言っておいても、無職だということを事前に言わなかったとしても、どっちの場合も、不愉快な思いをすることになる。これ、わからないだろうな。「ヘビメタ騒音」なんだよ。きちがい兄貴ほど、きちがい的な意地で、きちがいヘビメタを長期間鳴らした人はいない。この世にいない。日本だけではなくて、地球上に、きちがい兄貴ほど、こだわりつくして、自宅で、きちがい的な音でヘビメタを鳴らした人間はいない。条件がそろっているんだよ。おとうとさえ無視すれば、鳴らせる条件がそろっているんだよ!!
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ともかく、誤解をうける。あとは、「ヘビメタ騒音がなんだぁ!」と言ったやつが数人いるんだけど、いまでも、ぶち○○に行きたくなる。きちがいヘビメタにたえた日々の、きちがい兄貴に対する恨みが、そいつに対して炸裂しそうになる。きちがい兄貴が無視して鳴らした日々、俺がどういう気持で生きてきたか。きちがい兄貴が鳴らしている時間の、きちがいヘビメタでくるしい気持ち……怒り……。そういったものが、その発言の主(ぬし)のうえにふりそそぐことになる。がまんしてんだぞ。こっちががまんしてるんだぞ。きちがい兄貴に対する気持や、きちがい兄貴が鳴らしたヘビメタ騒音そのものに対する怒りが、そいつに対して、爆発しそうになる。俺が我慢したんだよ。「ヘビメタ騒音がなんだぁ!」という発言は起爆装置なんだよ。爆発ボタンなんだよ。ゆるせない。「ヘビメタ騒音がなんだぁ!」と言ったやつら……おまえらが、どうして腹をたてているのか? 俺が腹をたてているんだよ。
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いま、午後九時三八分。毎日、この時間は、きちがいヘビメタがものすごい音で鳴っていた。鳴っていた。鳴っていた。どれだけ、「やめてくれ」と言っても、一秒もやめてくれなかった。その時間がどういう時間か、きみたちにわかるか? 「ヘビメタ騒音がなんだぁ!」という発言をしたやつらに、わかるか?
経験してないから、これっぽっちもわからない。言っておくけど、こいつらの騒音経験とはまるでちがうからね。そんなんじゃないからこまっている。こいつらの騒音経験は幼稚園の騒音以下。俺が相手にしなかった騒音以下。こいつら、たまたま、きちがい家族にやられてないだけなのに、えらそうに。こっちが怒っているんだよ。それこそ、きみたちがおこる必要はない。おまえらが、俺に失礼なことをした。俺はきみたちに失礼なことをしてない。きみたちが、勝手に、誤解しただけだろ。