「上・中・下」ということを考えた場合、やはり、明るいことを考えれば、明るいことが発生するという考え方はおかしい。おかしいだけではなくて、「下」の人の条件を、さらに悪くしている。圧力容器の圧力を、さらに高くしてしまっている。
これが、まったくわかってないんだよね。
けど、まあ、そういうことをしたがる人の気持ちもわからないではない。
上の考えというのは、教育制度やアニメ、漫画、ドラマなどを通して、どばーーーっといきわたる。 この考えというのは、基本的に「上」にとってものすごく、ものすごく、都合がいいものだ。現実をかくしてしまうのである。無限体力、無限能力、無限努力……こういった嘘の概念で、現実を、塗りつぶしてしまうのである。その場合、得をするのは、めぐまれている「上」なのだ。
「上」にとって都合がいい考え方を、まさに、「上・中・下」の人が、支持するという状態ができあがる。見せかけの道徳、見せかけのラッキーなのだけど、「上」の人たちは、ものすごい洗脳能力?をもっているので、「中」や「下」の人を洗脳してしまう。
この洗脳は、完ぺきな洗脳で、洗脳されたほうが、洗脳されたということについてまったく、気がつかないタイプの洗脳だ。自分は最初からそう思っていた……と、洗脳された人たちが思っているのだ。
ほんとうは、「上」の考えのコピーなんだけど、「中」や「下」の人は、自分の考えだと思っているのだ。自分で考えて、これがいいと思っている状態……。
「上」の考えのコピーだということに、気がつかない。「上」の考えは、共同幻想になっているので、普通の人にとっては、あたりまえの考えになってしまう。そして、現実的な条件の差を無視してしまう。現実的な条件というのは、無数に成り立っている。