「生まれの格差・上」「生まれの格差・中」「生まれの格差・下」で、三階層。
「生まれの格差・上」のなかに、さらに「上・中・下」をつくり、「生まれの格差・中」のなかに、さらに「上・中・下」をつくり、「生まれの格差・下」のなかに、さらに「上・中・下」をつくって、九階層。
どうして、九階層にしたかというと、努力によって、九階層のなかの一階層ぐらいは、上昇することができるからだ。じゃあ、二項目文があっているのかというとそうではない。
これは、言霊のところでも説明したのだけど、「Xをすれば、Yになる」というような二項目文を考えた場合、Xのなかには、非・Xがふくまれないという問題がある。問題ではなくて、ほんとうは、だからこそ、「文」に意味があることなのだけど、普通の人は、ここらへんのことがまったくわかってない。Xと言ってしまっているのだから、X以外のものは含まれない。これは、「すべてのX」とおなじ意味だ。XとすべてのXは意味的に等価なのである。これがわかってないんだよな。Yのほうも、「Yになる」と言ってしまっているのだから、「Yにならない」ということは、含まれてない。かならず、Yになるのである。「Xをすれば、Yになる」と「Xをすれば、かならず、Yになる」は、意味的に等価なのである。「Xをすれば、Yになる」と言っているのに、「Xをしても、Yにならないこともある」ということが、含まれている……そんなことはない。「Xをすれば、Yになる」という言葉と「Xをしても、Yにならない場合がある」という言葉は等価ではない。「Xをすれば、Yになる」という言葉と「Xをしても、Yにならない」という言葉は等価ではない。「Xをすれば、Yになる」という言葉と「Xをすれば、Yにならない」という言葉は等価ではない。
法則と言っているのだから、一項目目をXと言っているのに、非・Xが含まれているわけがないのだ。Yになると言っているのだから、Yにならない場合が含まれているわけがない。
言霊の場合について説明しておこう。
「言ったことは、現実化される」と言った場合、「言ったこと」のなかには、すべての「言ったこと」が含まれる。「言ってないこと」は含まれない。「言ったことは、現実化される」という言葉は「すべての言ったことは現実化される」ということと意味的に等価なのだ。そして、「言ったことは、現実化される」という言葉は「言ったことは、すべて、現実化される」という言葉と意味的に等価なのだ。「言ったこと」のうち「いくつかは現実かれる」と言うことではない。「言ったことは、現実化される」という言葉は「言ったことのうち、いくつかは、現実化される」という言葉とは、等価ではない。非・等価だ。かならず、非・等価なのである。もし、「言ったことのうち、いくつかは、現実化される」という意味で「言ったことは、現実化される」と言うなら、最初から、まちがっていることを言っているということになる。等価ではないからだ。ところが、言霊主義者は「言ったことのうち、いくつかは、現実化される」という意味で「言ったことは、現実化される」と言ってしまっている場合がある。もちろん、「言ったことのうち、いくつかは、現実化される」ということではなくて、「言ったことは、すべて、現実化される」という意味で、「言ったことは、現実化される」と言っている場合もある。だから、言霊主義者は、「言ったことは、現実化される」という言葉を使って、まったく別のことを言っているということになる。そして、そういうことに無頓着なのだ。「言ったことは、すべて、現実化される」という意味で、「言ったことは、現実化される」と言ったほうが、都合がいいときは、「言ったことは、すべて、現実化される」という意味をこめて「言ったことは、現実化される」と言い「言ったことのうち、いくつかは、現実化される」という意味で、「言ったことは、現実化される」と言ったほうが、都合がいいときは「言ったことのうち、いくつかは、現実化される」という意味をこめて「言ったことは、現実化される」と言っているということだ。そして、言っている本人は、そのことに気がついてないのである。なので、いかように言えるということになる。
法則性がないことに関して、あたかも、法則性があるようなことを言う。そうやって、人をせめる。こういうことが、平然とおこなわれている。法則性があるようなことを言っている人は、それでいい気持ちになれるけど、言われた人のうち、何割かは、ダメな方法をおしつけられて、不愉快な思いをする……ことになる。言われた人のうち、何割かは、見当違いのことを言われて不愉快な思いをする……ことになる。有害な希望詐欺。
場合によるけど、いのちをおとす場合もある。「生まれの格差・下の下」のうちの多数が……かなりの割合の人が……「死ぬしかない」というところまで、おいつめられる。過労死をしてしまうひとは、法則性詐欺師にだまされている可能性がある。