俺がゆるせないのは、きちがい兄貴が「かるいきもちで」やったということだ。軽い気持ち。軽い気持ち。軽い気持ち。もちろん、実際は、「やめろ」と言われれば、きちがい的に怒って、やり通したのである。けど、……だけど「かるいきもち」なのである。これ、わかるかな? きちがい兄貴を、なまで、見た人じゃないとわからないんじゃないかな。こういう人と、いっしょに住んでいるというとが、どういうことなのかわからないんじゃないかな。だから、言霊や思霊みたいなことを言うんじゃないかな。「すべては、うけとめかたの問題」「すべては、生まれるまえに決まってた」というようなことを言うんじゃないかな。この「言霊思考」や「思霊思考」や「すべては、うけとめかたの問題」「すべては、生まれるまえに決まってた」が、めちゃくちゃに、人を傷つけるのである。特殊な家族にやられている人を傷つける。この傷つけ方は、並じゃない。
そんなんじゃないから、こまっている。そんなんじゃないから、できなくなる。被害の度合いがそんなものではないから、できなくなる。遅刻でも宿題でもコミュニケーションなんでもそうなんだよ。これ、言っているほうは、特殊な家族にやられた人間のことがまったくわかってないのである。特殊な家族に、騒音でやられた人間のことがまったくわかってないのである。無理難題を人におしつけているのに、無理難題を人におしつけているということがわからない。こいつらだって、俺とおなじ経験をすれば、睡眠障害で、遅刻をするようになる。睡眠障害で体力がなくなる。けど、やられたことがないので……つまり、実際には経験しなかったので……つまり、人生のなかで、十数年間にわたってそういうことがしょうじなかったので……「俺だったらそんなことにならない」「騒音がそんなに影響をあたえるわけがない」「騒音と人間関係は関係がない」「騒音が鳴ってたって勉強ぐらいできる」「俺だったら、騒音が鳴ってたって、遅刻をしないで通うことができる」と思って、ものすごく身勝手な決めつけをして、無理難題をおしつけてくる。こんなの、わかってないからやれるだけなんだぞ。わかってたら、絶対にそんなことは、言えなくなる。まるでわかってない。