それなら……ツーリングにさそわれたのであれば、行けばいいじゃん……ということになる。ヘビメタ騒音にやられてなかったら、当然、そうなる。普通に、自分も行きたい気持ちになって、相手の提案に同意することができた。けど、ヘビメタ騒音に長年やられると、器質的にだめになる。普通の人だって、やる気がない状態はあるわけだし、憂鬱な状態もあるわけだし、つかれた状態もある。さらに、「眠れない状態」だって経験しているわけだ。眠れない状態というのは、眠るべき時間なのに眠れないということだ。あるいは、ふだんなら眠っている時間なのに、なかなか眠れないということだ。ヘビメタ騒音がはじまるまえもそういうことはあった。やる気がない状態、憂鬱な状態、つかれた状態、眠れない状態というのを、「ぼくも」経験した。だからわかるのだけど、ヘビメタ騒音中、あるいは、ヘビメタ騒音以降の、やる気がない状態、憂鬱な状態、つかれた状態、眠れない状態と、ヘビメタ騒音以前のやる気がない状態、憂鬱な状態、つかれた状態、眠れない状態は、まったく、ちがうのだ。別物。別物なんだけど、ほかの人は、ぼくとおなじようにヘビメタ騒音を経験したわけではないから、ヘビメタ騒音中、あるいは、ヘビメタ騒音以降の、からだの状態というのがわからない。はっきり言えば、ぼくが言っている!やる気がない状態、憂鬱な状態、つかれた状態、眠れない状態は、ほかの人が言っている!やる気がない状態、憂鬱な状態、つかれた状態、眠れない状態とはちがうのだ。しかし、同じ言葉で説明するしかないことなのだ。これは、前にも話したけど、同じ言葉を使っているのだけど、経験がちがうと、その言葉に関連付けられている各々の身体感覚的な意味がちがうということになる。経験がないとわからないことに関しては、どれだけ言葉を尽くして語っても、わからないということになる。ようするに、経験をもっているほうが、そのことについて、どれだけ、経験がない人に語っても、経験がない人はわからないということだ。そりゃ、言葉に対応した身体的な感覚がないわけだから、わからない。
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