あの女の人とつきあっておけばよかったのかな。けど、まるまるのことで、意見が対立してもめたりすると、いやだな。もう、そういうのは、いやなんだよ。というわけで、ひとり。
もーーー、つかれた。
もーーー、いやだ。
脳裏にきちがい兄貴と、きちがい親父の姿が浮かぶ。あの顔、あの形相。あの頑固さ。絶対に、言うことを聞かないで、頭がおかしいことをやり切る。しかも、やり切ったつもりがないんだよ。「つもり」だけいつもない。けど、からだは、毎年、毎日、毎時間、毎分、毎秒、そういうふう「うごく」。
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たとえば、俺が親父のことについて語りだしたら、あの女の人はなんというのだろう。その発言に対して、ぼくはどう思うのだろう?
これ、なかったから、なんとも言えないのだけど、たぶん、あんまりいいことにならない。俺が、けっきょくなんだかんだ言って、親父の入院の手続きなどをしてしまう。めんどうを見てしまう。愚痴りながら、めんどうを見てしまう。