いろいろなものを捨てようと思うと、むなしさがこみあげてくるなぁ。
つらいだけの一生だったけど、……むくわれなかったけど、いままで、よく生きてきたなぁ。ほんとうに、どのシーンをとっても、くるしいわ。あのこころぼそさはない。ヘビメタ騒音でずっとくるしかった。ずっとずっと、くるしかった。まともな気分じゃないんだよ。やられてない人は、こういうことを言えば、俺が特別に敏感で、特別に弱いから、そんなことを言っていると思うんだよ。あの生活が毎日続いたら、だれだって、こうなる。すべての時間、こころぼそくてくるしいということになる。俺は、ほかの人よりも強く、よくもったほう。俺は、ほかの人よりもずっと、しつこくて、粘り強いんだよ。そのぼくが……そのぼくが……。何千日もやられると、やはり、からだにがたがくるということになる。精神に亀裂が入るということになる。どうやっても、がんばれないということになる。どうやって、明るい気持ちを維持しようと思っても、明るい気持ちを維持できないということになる。ヘビメタ騒音……きちがい家族による、ものすごいヘビメタ騒音というのは、そういうものなんだよ。ほんとうに、まるでわかってないな。
やっぱり、自分の体が、数千日の、普通だったらありえない疲労で、ボロボロにならないとわからないんだよな。もう、どうやったって、我慢ができない状態になる。ノーマルな状態が、我慢ができない状態なのだから、普通にやろうとすると、短時間で、限界をむかえる。限界をこえたあとは、もうめちゃくちゃだ。そういう状態になるということが、ヘビメタ騒音が続かなかった人にはわからない。だから、気晴らしのたてまえや、気晴らしのきれいごとを言う。けど、その人たちは、あの毎日を十数年間経験してないから、そういうことが言えるだけ。同じようにやられたら、とてもじゃないけど、言えない。だから、そういうところでも、不公平なんだよ。