しかし、ほんとうに生まれの格差がでかいな。生まれの格差が与える影響がでかすぎる。能力や努力の差じゃないのである。あるいは、努力してこう感じるようにすることができるかどうかの差じゃないのである。積み上げられてきたことがちがう。実際に、積み上げられてきた経験……。実際に積み上げられてきた経験のほうが「こういうふうに感じるようにしましょう」というようなきれいごとよりも、深く深く、「実際の感じ方」に影響を与える。すっとぼけた人たちは、これがわからない。すっとぼけた人たちは、みんな、恵まれた側の人で、生まれたときから、恵まれた経験を積み上げてきた人たちなのである。その恵まれた経験というのは、単に、金額の上下で評価されるようなものではないのである。金額というのは、親が自分にかけた金額であり、もうちょっと軽く言えば、親の年収と貯金だ。まあ、実際の貯金額に関係なく、きちがい的にケチな人がいる。そういう人は、子供のために金を払うとなると、たとえ、10円でも逆上してしまう。なんくせをつけて、怒り狂って、怒り狂って払わないことに成功する。自分がやってやりたいことというのは、子供の感情に関係なく、自分がやってやりたいので、勝手に、エンジンがかかる。そうなると、子供が「やめてくれ」と言っているのに、その発言を無視してやってしまうのである。その場合、金がかかることでもやってしまう。けど、これは、ムダ金だ。子供としてはそんなところに、金を使うのではなくて、あのとき、10円払ってほしかったという気持ちになる。たとえ、なにかを買ってもらったにしろ、きちがい的な親が思いついで買ってやったものは、子供にとっていらないもので、屈辱的なものなのである。ともかく、「子供の言う通りには絶対になにがあっても動いてやらない」という無意識を持っている親がいて、この親の場合は、実際の収入とか、実際の貯金額というのは関係がない。けど、一般的には、やはり、子供の(金における格差)ということを考える場合は、親の収入と貯蓄額が重要になる。あるいは、住宅ローンや車のローンといった負債額が重要になる。普通は、貯蓄額について言及る場合、負債額のことは、考えてない。まあ、もちろん、負債額を考慮して、貯金額について考えることもできるけど、それは、一般的ではないなぁ。けど、実際の生活には、ローンは影響を与えるかもしれない。ようするに、親の金銭感覚には影響を与えるだろう。けど、ローンなどの負債額について、あんまり考えないことにして、貯蓄額を考えることにしよう。で、その場合、やはり、生まれの格差は、単純に親の年収や、親の貯蓄額と関係があるものとして話されているのだけど、親の年収や親の貯蓄額には、あらわれない要素も、ほんとうは、重要だ。
こんなのは、恵まれた人にはわかるわけがない。さらに、親が人格的にまともなのだけど、収入が低い層に分類される親に育てられた人にもわからない。収入が低い層に分類される親は、だいたい、年収200万円以下かな。まあ、ゆるくとって年収280万円以下か。けど、これも、時代によってちがうんだよな。子供の人数も影響する。