FIREというのはFinancial Independence, Retire Earlyの略なのだけど、どれほどの人が「リタイア」という単語が入っていることに注意をむけるだろうか?
「FIREのRってRetireのことなんだぜ」と言える人は少ないだろう。ようするに、英語ではともかく、日本語では、リタイアという部分がかなり脱色されているわけ。
retireというのは、退職する、退職させるという動詞だ。退職はretirementで、退職者はretireeだ。ともかく、FIREと日本語になってしまった場合は、無職であるという意味あいが相当に脱色される。
アーリーリタイアは、完全に退職して仕事はしない場合なので、無職だ。しかし、セミリタイアだと、退職したあと、アルバイトをしたりフリーランサーとして仕事をしたりする。そこのちがいがある。セミリタイアは、無職ではないわけだ。
まとめると、アーリーリタイア(無職)、セミリタイア(無職ではない)、FIRE(無職)ということなるのだけど、 FIREは無職だという感じがしない。
退職したあと、アルバイトをするつもりがある場合は、セミリタイアだ。もちろん、退職したあと、個人事業主として自分がつくったものを売るつもりがある場合も、セミリタイアだ。
ともかく、個人事業主として働くつもりがあるのであれば、「FIRE(を)したい」あるいは、「アーリーリタイアしたい」と言うべきではなく、「セミリタイアをしたい」と言うべきだ。まあ、個人事業主になっても、もうからない場合があるだろう。この場合は、廃業するなら、もう一度、リタイアするということになる。
ともかく、FIREは、早期退職して、そのあと働くつもりがない人が使うべき言葉だ。けど、日本だと、 Retire Earlyの部分がぬけてしまうので、働くつもりがある人も、この言葉を使っている。
FIREというのは、早めに無職になるということなのに、なぜか、無職嫌いの人が、その言葉を良い意味で使っている。FIREした人は、無職ではないような印象を持つ人が多いのではないだろうか。その人たちは、無職には偏見をもっているけど、FIREには偏見を持ってないという、へんな状態がしょうじている。
「無職」と言うと、格好悪いけど、「FIRE」と言うと格好いいわけか。単なる印象のちがいだけなんだけど、印象のちがいはでかいなぁ。無職は軽蔑するけど、FIREした人は尊敬するの? FIREした人って、無職だよ。
(注)無職は、無職者という意味も含むということにする。
+