ある人との出会いで、人生が変わったというようなストーリー。これ、カネモッチーが人をだます手なんだよな。こんなのない。そして、お金を人にあたえればしあわせになれるというようなことを言う人たちは、お金をあたえたりしない。ちゃんと持っている。だいたい、全財産を失ったのに30億円持っているというのがおかしいとは思わないのか? そもそも、記述がおかしい。
全部、こういうことになるのか。
ある貧乏人が、人生の師と言える人にあってどうのこうのというファンタジーはうけるけど……。普通の貧乏人は、『人生の師』と言える人にあわないで、底辺労働者として暮らして、死ぬ。あるいは、メンターを名のる詐欺師にあって、ますます貧乏な暮らしをして、死ぬ。
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「実話」であろうが、関係ない。こういうファンタジー!!
それなら、そういう話を聞いて、感動した人が、ほんとうにほかの人にお金をあげるのかどうかだ。もちろん、文字通り、「全財産」をあげるべきだ。
それじゃあ、腰が痛いのに非正規労働で働いているあるブロガーに全財産をあたえてくれよ。そうすれば、与えたほうがしあわせになるんだろ。どうして、しあわせになることをためらって、「これは、いい本だ」なんて言っているんですか?
いいことなら、即実行ですよ。
引用開始 (スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック より)
しかし、株式市場が暴落し、彼はすべてを失い、破産した。彼に残ったのは、慈善事業に寄付することを誓った株式だけだった。
引用終了
……この株式が30億円。30億円残っている時点で、金持ちだ。「すべてを失い」とか、記述がおかしいだろ。「破産した」……売れば30億円になる株式を持っているのに破産?なんてできるの? 破産というのは、自己破産のことだろうか? 日本の法律では、30億円分の株式を持っている時点で、自己破産はできない。まあ、ほかの国の法律はどうだからないけど。しかし、30億円分の株式を持っている人が持っているにもかかわらず、自己破産するなんことが本当ににできるのだろうか? 株式を全部売っても、お金がない状態ならわかるけど、「残ったのが30億円分の株式」なんでしょ。これはおかしい。
30億円どころか、1億円持っている人のところにも、「お金めあて」の人が集まるよ。じゃあ、1億円持っている人は、1億円、集まってくる人にあげて、ハッピーになれるのか? だいたい、集まってくる人はいっぱいいるだろうけど、だれにどうやってわけるのか? 誰にいくらあげるということを決定する段階で、いろいろなトラブルが発生すると思われる。たった、1億円でも。30億円の「30分の1」の1億円でも。
宗教団体に寄付しちゃだめですよ。宗教団体は人をまるまる団体ですよ。 寄付した金で、多くの人がまるまるになるのだから、あげて、いい気持になっているだけですよ。世の中にはいっぱい不幸な人がいるのだから、自分でそういう人をすくいあげたらどうですか? どうして、自分でやらずに、宗教団体にあげちゃうんですか。
こういう「美談」は、みにくい世の中を維持するためにだけある。不幸な人を拡大再生産するような世界を維持するために、こういう「美談」が語られるんですよ。どうして、わからないんですか?
こういう本を読んで感動した人は、「 まず隗より始めよ」じゃないけど、全財産をだれか不幸な人に寄付してみればいいでしょ。全財産と言ったら、全財産ですよ。子供がいる人でも、子供にかかる金をほかの人にあげちゃいましょう。そうすれば、しあわせになれると言うのであれば、どうして、そうしないのですか?
「(子供のために使う金は)あげられない」と言うのであれば、あげられない理由のほうに真実があるんですよ。
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金持ちが考える貧乏な子供の世界なんだよな。ぜんぜんわかってないんだよな。イメージで語っている。貧乏な子供が、ある賢者とあって、非常に重要なことを教わるという話……に似ている話は、すべて、いつわりの話です。これ、定型パターンなんだよな。注意すべき定型パターン。実際の貧乏な子供の世界や、実際のきちがい親にやられている子供の世界というのは、そういう人たちが思っている世界ではない。貧乏の貧乏がどういう貧乏なのかという問題もあるけどね。そりゃ、相対貧乏と絶対貧乏はちがうからね。しかも、親の性格がおかしい場合……親の無意識に問題がある場合……よその人にはわかりにくい形で、親が脳の機能障害を持っている場合…… カネモッチーや精神・カネモッチーがイメージとしてとらえている「不幸」とはちがう「不幸」が展開するんだよ。ほんとう、目を覚ませと言いたくなるなぁ。どれだけ勘違いをしているか。どれだけ、頭の中でつくった「不幸なイメージ」で物事を語っているか。
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ほんとうの貧乏人は賢者にはあわない。メンターとかインフルエンサーとかと名のる詐欺師にしかあわない。どうしてこういうことがわからないのか?
わかるわけがないか?
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こういう話が次から次へと出てくるということ自体が、ビンボッチがくるしみ、精神ビンボッチが激しくくるしむ世界を「維持」するのに、役立つ。これ、「置かれた場所で咲きなさい(今いる場所で咲きなさい)」とおなじなんだよ。
精神ビンボッチがいわれのない攻撃を受ける世界を守っている。精神ビンボッチに、圧力をかけている。精神ビンボッチって、精神的な問題を抱えている親の子供ね。子供側の人。そういう家に生まれた人のことね。宗教家、医者、学者、そういう人たちが、 精神ビンボッチに相当に屈折した攻撃をしている。宗教家、医者、学者、そういう人たちが、 精神ビンボッチを助けているように見えるのかもしれないけど、それはちがう。攻撃している。普通の人たちから見ると、助けているように見える攻撃か。ほんとうに屈折しているなぁ。