ミンミンゼミ二〇匹、頭につけたような騒音をずっと聞かされて自分の人生がない。みんな、どれだけ苛烈かわかってない。今日、買い物に行ったとき、ミンミンゼミがないていた。このミンミンゼミは、そんなにうるさくなかった。ミンミンゼミでも、特別にうるさいやつと普通のやつがいるのかな?
ともかく、ミンミンゼミが耳の横でないていたら、いやだろ。ずっと、何時間も何時間もないていたらいやだろ。きちがい兄貴のヘビメタ騒音は、耳の横に、二匹ずつミンミンゼミをつけて、頭の上に二〇匹ミンミンゼミがいるような状態なんだよ。ミンミンゼミが、耳の近くで、二四匹ないてたら、いたら、いやだろ。
けど、きちがい兄貴のヘビメタ騒音はそれよりも、有害なんだよ。頭を破壊する。睡眠回路を破壊する。精神を破壊する。生活体力を破壊する。むなしくさせる。おこりっぽくさせる。
俺の毎日は、我慢の毎日だった。それを、常識的な人間・座頭(仮名)みたいなやつが、軽く無視する。あいつらは、一日でも経験したことがないから、一二時間鳴らされたあと、からだがどういう状態になるかわかってない。鳴り終わったら、眠れると思っている。そういう単純なやつら。まちがった考えを持っているやつら。
これ、俺からすると、そういう人は、妄想性の障害を持っているように見える。ヘビメタ騒音『で』眠れなくなったと言っているだろ。事実や現実を否定して、非常識な考えにとらわれているようにしか見えるのである。俺から見ればな!!
ヘビメタ騒音『で』睡眠回路が壊れたと言っているだろ。こいつら、「そんなことはない」と思っている。
言霊主義者なら、「だいじょうぶだだいじょうぶだと言えば、だいじょうぶだ」というようなことや、「影響ない影響ないと言えば影響はない」というようなことや、「眠れる眠れると言えば眠れる」というようなことを言う。
俺は、やったんだよ。
きちがいヘビメタ騒音期間中、何日もやった。まったく効果がなかった。それどころか、精神崩壊なのである。きちがいヘビメタを朝から晩までずっと浴びて、交感神経がたかぶっているとき、「眠れる眠れる」と言えば眠れるかというと眠れない。
俺が、呪文のようにこの言葉を繰り返したとき、俺が、どういう気持ちになったと思っているんだよ。破滅破綻だよ。「もう、死ぬしかない」というような不安がおそってきたよ。
毎日、続いた。そういうことが毎日続いた。夜眠れずに、日中、動いているのがきつい。どうしても、気がぬけるときがある。へんなテンションになってしまうときがある。家では勉強ができないけど、学校でだって、授業中つかれて、どうすることもできないことがあった。眠たいのである。前の日、じゅうぶんに眠れずに、授業中、眠たくなるのである。前の日、ヘビメタ騒音にさらされて、頭が破壊されているから、頭がモヤモヤするのである。前の日、ヘビメタ騒音にさらされて、からだじゅうがだるいのである。