だれがやられてもやりようがない。だれがやられても、最高の状態で、俺の状態だろう。
もし、ほかのやつら、佐藤や結城がヘビメタ騒音を俺とおなじぶんだけやられていたら、引きこもり無職じゃすまないだろう。
遅くても二〇歳で死んでいると思う。
そういうレベルのことなのに、やられてない佐藤や結城は「その年で働いてないなんておかしい」と思うわけだよ。
なんの、罰ゲームか?
きちがい兄貴がきちがい兄貴で、一切合切こっちが言っていることを訊かないで、自分がやりたい音できちがいヘビメタを鳴らし続けたからこうなっている。けど、ほかのひとは、自分がやられてないので、その必然性が見えない。
「きちがいヘビメタを鳴らし続けた「から」俺がこうなっている」ということが見えない。見えなかったら、そうじゃないんだよ。わからなかったら、そいつの世界では、そうじゃないんだよ。
そうなると、きちがい兄貴はまったく批判を受けず、俺が批判を受けるということになる。すべてにおいて、こういうことが成り立ってきた。なのでぼくは、〇〇たい。ゆるせない。
きちがい兄貴のやり方だと、どれだけ才能がある人でも、どれだけ体力がある人でも、だれもが、引きこもり無職にならざるを得ないのに、それが、ほかの人にはわからない。自分の人生じゃないから、勝手なことを言う。自分がやられたわけじゃないから、勝手なことを言う。ほんとうに勝手なやつらだと思う。けど、そういうやつらが、世界をつくっている。世界で、俺だけが、きちがい兄貴のきちがいヘビメタにやられた。ほかの人は、まったくやられてない。ほかの人はまったくわかってない。