しかし、この雰囲気。しかし、この雰囲気。これは、きちがいヘビメタの雰囲気だ。「ヘビメタの朝」の雰囲気だ。この雰囲気の中、俺は自分の気持ちを押し殺してがんばって学校に行った。アルバイトに行った。死にたかった。それが、行かなくてもいい状態になっても、かわらない。この雰囲気。どんだけ長く、この雰囲気が続いたか。どれだけ長くヘビメタ騒音生活が続いたか。こんなのに耐えて、ぼくはこの世でくらしていた。こんなのに耐えて。ゆるしがたい。こういう朝を一度も経験したことがないやつが、努力とか根性とか、片腹痛い。わらわせる。ヘビメタ騒音の朝を一度も経験したことがないやつが、努力とか根性とか、片腹痛い。おまえららみんなまるまるまる。不適切な発言をするな。
俺がどれだけ耐えて暮らしていたか。この世で、耐えて暮らしていたか。「ヘビメタ騒音なんてたいしたことがない」「過去のことなら、関係がない」というやつは、みんな、まるまるまる。
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まあ、どのみち、みんな、死ぬ。独身だろうが結婚していようが、死ぬ。引きこもりだろうが、できるビジネスマンだろうが、死ぬ。
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