まじめな俺が、気違い兄貴のヘビメタ騒音にやられて、くるしんでいるだけなのに、佐藤のような普通のやつから、悪く言われる。こんなのはない。そいつらは、みんな、兄貴のことは悪く言わない。
ほんとう、俺がどれだけまじめに生きてきたか?? まじめに!!
そして、まじめに生きてきた俺が、どれだけ悪く言われてきたか??
こいつらは、兄貴の責任は追及しないのに、俺の責任は、追及してくる。けっきょく、鳴らされたのであれば、鳴らされたおまえが悪いという理論だ。じゃあ、殺せばよかったのかと言うと、そうじゃないと言い出す。殺さなければ絶対にやめない家族と一緒に住んでいる場合、どうしたらいいのか? 気違い家族は、やったこともやったと認めない。これは、ほんとうに、そう思っているのだ。そういうところで、頭がおかしい。やっているときはやっているときで、意地でもやるわけで、態度が同じだ。やりきっているときと、相手に言われたことを否定しているときの態度がまったく同じなのだ。だから、普通に言っても聞くわけがない。
ともかく、こいつらは、俺が小学六年生のときに、気違い兄貴を、殺したら、「もっとほかにやりようがなかったのか」みたいなことを言うと思う。いや、絶対に言う。
ほんとうに、まじめに生きてきて……。殺人を……殺人を、さけて生きてきたのに、俺が、いつもわるく言われる。殺人をしなかったから……俺のからだ動かなくなったんだよ。俺がずっと、くるしいままなんだよ。
こいつらは、『過去は頭の中にしかない』というアホな理論を持ち出す。脳みそも身体を構成する臓器の一部だから、物理攻撃を受ければ、影響を受ける。それから、こいつらが『現在』をどのように考えているかわからないけど、『過去が頭の中にしかない』と言うのであれば、『現在も頭の中にしかない』ということにどうして気がつかないのか?
過去のある時点で、認知症になったとしよう。認知症が脳の物理的、化学的、生物的変化をもたらすものだとしよう。過去のある時点で認知症になったら、それが治らない限り……影響を受ける。現在に影響を与える。過去は脳みその中にしかないから、影響がないとは言えない。