旅は目的地が特に決まっていない場合が多い。旅行の場合は目的地が決まっている場合が多い。特に、旅行の場合は、目的地だけではなく、行程が決まっている場合が多い。
どこに行ってなにをやるのか、どういう時間にやるのかということが、だいたい決まっているのが旅行だ。旅の場合は、そのような決まりがあんまりなく、なんとなく、どこか、自分が住んでいるのとはちがう場所に行くというイメージがある。
「あてどもない旅に出る」とは言うけど「あてどもない旅行に行く」とは言わない。旅行の場合は目的地が決まっている。「自分探しの旅」とは言うけど「自分探しの旅行」とは言わない。
旅の場合は、さまよっている感じがある。なので、旅の場合はアクシデントが多い。なにが起こるかわからないけど、自分が予期してないなにかが起こることを(期待)している感じがある。両者のちがいはだいたいこんなところだろう。
しかし、旅のほうが、意味範囲が広いのではないかと思う。人によっては、旅行と言うべき時に旅と言う場合がある。おなじ人でも、旅行であったとしても、気分的には『旅をしている』と言う場合もあると思う。包含関係を考えると、『旅』という概念のなかに、目的がはっきりした『旅行』が含まれているのではないか。