すべてがバカらしいよ。
ともかく、ヘビメタ騒音なしですごしたかった。ヘビメタ騒音なしで生きたかった。とくに、中学生活と高校生活がきつすぎる。ほんとうに毎日、午後一一時一一分までガンガン鳴ってた。何時間も浴びせられると、ほんとうに眠れなくなる。あの眠れない時間が、ぼくの精神をおかしくした。緊張がなみじゃないのである。他の人に知られず、他の人に理解されることなく、ズッとやられた。気違い感覚が成り立っているから、ぜんぜん気にしない。どれだけ言っても、気違い兄貴は気にしない。言われたときだけ、「怒って反応」するけど、自分が怒ったあとは、もう、なんにも感じないでやりきることができる。だから、言われるたびに怒って、やりきるということになってしまう。時間までやりきるということになってしまう。午後一一時一一分までやりきるというとになってしまう。やりきったら、一分だって鳴らさなかった気分のままなんだよ。その日、二〇回文句を言われて、二〇回怒ったとしても、なにもなかったということになってしまう。そういう毎日の繰り返しだ。他人が理解するにしても、それは、やられなかった人が、「そういうことがあったんだ」と理解するだけで、実際の経験がともなってない。実際の経験とそういう知識はぜんぜんちがう。俺は戦争に行ったことはないけど、テレビドラマに出てくる戦争と実際の戦争がちがうようにちがう。気違いヘビメタが鳴っているということを理解したとしても、そんなことでは、気違いヘビメタによってしょうじる障害や変化を理解できない。もちろん、「エイリが言っているだけ」に聞こえる人もいるだろう。これ、ちがうんだよな。こんな人生ない。