いま、ちょっと浮かびあがった。けど、奥底に、不安が、びっしり付いている。不安。これ、薬を飲んだとして、薬がきいている時だけ、不安を押しのけることができたとして、それで……どうなる? しかも、だんだん効かなくなるから、量を増やしていかなければならなくなる。増やして、治ったところで、徐々に減薬して、やめられればいいよ。しかし、それは、難しい。どうしてなら、もう、スクリは必要がないと思えるところに到着できるかどうかがまず問題だからだ。薬でごまかせる部分ではないところに、問題がある場合は、そのもとの問題が片付かなければ、不安要素というのは、消えない。残り続ける。それが問題だから。元のやつが解決しないと、そこから生み出される不安というのは、なくならない。
俺の場合は、五〇〇〇万ぐらいあれば、一応は落ち着くんだよな。それで、なんか女の人とも付き合えるようになる。というか、探すことができる。俺はなんとなくだけど、金も仕事もない状態で、女の人にアクセスするのは、失礼なような感じがする。
というか、それを隠して付き合って、後でばらすというのは、まあ、……。それはちょっと心苦しい。常に、付き合っている時、「最初に嘘をついた」「嘘の設定で付き合っている」ということが気になると思うんだよな。そういうところで、変に真面目だから、いろいろなところでおかしくなる。けど、金も仕事もない状態だということを最初にバラしても、何人かは、付き合えるような感じだった。けど、引いてしまう。なんというか、これまた、自分にとって一番の人、などという考えに取り憑かれて、……妥協するというか……。
つまり、本当に好きな人と付き合いたいのだけど、「いいな。かわいいな」と思える人でも、本当に好きな人ではない場合、付き合ってもいいのだろうかと考えてしまう。これも、不誠実な感じがする。こういうところで、変に真面目なので、いろいろと変なことになる。その時、「一番好きな人」じゃないとダメな感じがする。で、向こうは結婚するつもりで付き合っている場合、やっぱり、なんか、気が滅入る。気楽さがない。そんなことを言っているあいだに、結婚適齢期?をはるかに過ぎて、中年になってしまいましたとさ。
五〇〇〇万あったとして、……ないんだけど、あったとして、それでも、ヘビメタ騒音の苦痛が和らぐかというと、和らがない。けど、五〇〇〇万あれば、二人乗りで、生活できそうな感じもする。二人で仲良く、暮らせる感じがする。まあ、できれば一億あったほうがいいけどさ。
五〇〇〇万ですら、現実的じゃない。三〇〇〇万ですら、現実的じゃない。二〇〇〇万は、まあ現実的かもしれないけど、年に一〇〇万使ったとして、二〇年しか持たない。年に一〇〇万ってどれだけの節約貧乏生活か。居住費、税金、税金ではないけど税金のように払わなければならないものを入れて考えた場合、一〇〇万円はきついぞ。一人乗りで一〇〇万。二人乗りだったら一〇〇万は無理だろう。嫁さんの国民年金まで払うとしたら、そりゃ、無理も無理。おお無理。二〇〇〇万という金は、でかいけど、二〇〇万ずつ使っていたら、一〇年間で、パーだよ。一一年目はどうするの? 一二年目は? 稼ぎがあって、それで二〇〇〇万の貯金があるならいい。けど、稼ぎがなくて貯金だけで暮らすとしたら? 不安で不安でしたがないだろ。とてもじゃないけど、嫁さん募集なんてできない。
けっきょく、さみしい道を行くしかないのか?
ちょっとずつ用意していかないとダメだ。
けど、なんか不安だ。
あとは、うつ病系の薬だけど、アルコールと同じように肝臓に負担をかける。肝臓に負担をかけないような薬だってあると思うかもしれないけど、ビールとワインぐらいの差しかない。やはり、何十年も飲み続けるのは問題だ。けど、これが、さっき言ったように、根本のところが薬で治らないと、ぐだぐだぐだぐだ、続くことになる。根本の部分が、新しい不安を常に生み出すからだ。根本の部分が、新しい憂鬱を常に生み出すからだ。俺の場合、根本の部分というのは、ヘビメタ騒音だ。ヘビメタ騒音がどうにかならないと、薬を飲んでも、新しいうつや不安が生み出されてしまう。すでに、人生の中間地点を回った。いままで解決がつかないのだから、つかないのだろう。
けど、薬も試してみる価値はあるかもしれない。その時、しのげればいいという考え方だけどな。クリスで本当に治る人というのは、根本の部分が、薬で治るようにできている人の場合なのではないかと思う。まあ、酒に溺れるよりは、薬でしのいだほうがいいのかもしれない。けど、それって、比較対象が「酒」だから。酒は本当に、肝臓に負担がかかる。あんなものをずっと飲み続けていたら、そりゃ、肝臓が五〇代ぐらいで、だいぶだめになってしまうだろう。あとは血管が破れやすくなるので、あんまり書きたくないけど……。やめよう。
あ~、早くヘビメタ騒音から解放されて、気楽になりたい。けど、これ、無理なんだよな。本当に、一一歳から二五歳までやられたことって、ぬけない。まあ、まるまるそう時代を抜かせば、一一歳から二一歳までの一〇年間なんだけど。その一〇年間にやられたことがぬけない。毎日やられたことだから、ぬけない。いま、なんか、急に胸が痛くなった。胸が苦しい。これ、たぶん、なんとかなるけど、……一時的なものだろうけど……ひとりで暮らしていると、そういうのも、ものすごくこたえる。腹が痛くなっても、ひとりで暮らしていると、こたえる。話せる人がいない。俺は、本当にヘビメタ騒音でひとりだったな。これ、全過程を説明するのは面倒くさいのだけど、必然的にそうなる。騒音と、孤独と、そんなに高い関連性がないように思うかもしれないけど、ヘビメタ騒音と同じような騒音が成長期に、ずっと続いた場合、そうなる可能性が高い。騒音と言ってもいろいろあるからね。本当、成長期の、毎日の騒音が、きついわ。きつい。成長期が過ぎたあとも、ずっと祟り続ける。死にたい。本当に、ヘビメタ騒音のせいで、成長ホルモンが足りなくて、身長が低いんだよ。あれは、夜二時とか三時とか、寝ているあいだに、ぐーーっと出てくるものだから。その時間、俺は、その日のヘビメタ騒音にやられて、疲れているのに、頭の一部が激しく興奮していて、眠れないという状態だった。成長期における毎日のヘビメタ騒音は、身長も奪う。「男」は、身長が高いほうが、断然もてる。女の人だとそうとは言えないのだけど。