「現実化する」という言い方が、絶妙なのだ。
いかにも、自分の行為によって、その現実をつくりだすというような感じがする。
しかし、言いたいことは、「言えば言った通りになる」とか「思えば思った通りになる」ということなのだ。自分が言えば、言った通りになるんだよ」と言いたいだけだ。自分が思えば、思った通りになるんだよ」と言いたいだけだ。
それを、「現実化する」と言ってしまう。
勝手に、ほかの理由で思った通りになるのではなくて、まさに、自分の行為によって、現実をつくりだすという意味になる。
こういう言い方は、自尊心をくすぐるのである。こういう言い方は、万能感をくすぐるのである。万能感。全能感。
ともかく、自分はすごいんだという話になる。
創造主のように、現実世界をつくりだすことができる……というような感じになる。
しかも、言うだけでいいのだ。思うだけでいいのだ。こんなに楽なことはない。バリバリの全能感だ。
自分が言えば、言ったことが現実化する。自分が思えば、思ったことが現実化する……。神にも匹敵する響きがある。
だから、ここちよい。受け入れられやすい。どうしてかというと、人間というのは、そういう感覚を持っている者だからだ。
どうして持ったのかというのは、わからないけど、たぶん、そうしないと生きていけないから、そういう感覚が育ったのだと思う。
そういう感覚を持たないと、現実が厳しすぎて、生きていけなかったのだと思う。
災害にやられる可能性、外敵にやられる可能性、病気になってしまう可能性がある。そして、避けられないものとして「死」がある。
だからこそ、万能感でもなければ、生きていけない……。
たぶんそんなところだろう。